国際社会が一致して取り組む「テロとの闘い」
日本と世界のための支援活動
10月17日、政府はテロ特措法に代わる「補給支援活動特措法」を閣議決定し、国会に提出しました。この法律は、インド洋における海上自衛隊の補給活動の継続を可能とするものです。
G7各国をはじめとした国際社会は、「テロとの闘い」の一環として、「不朽の自由作戦」(タリバン、アルカイダ等の掃討作戦)、「海上阻止活動」(海のパトロール活動)、「国際治安支援部隊」(治安維持のためのアフガニスタン政府支援)、「地方復興チーム」(軍民共同での地方復興活動)などの活動を行っています。
我が国は、これらの活動の中で唯一海上阻止活動に参加し、各国の艦船に燃料や水を補給しています。海上阻止活動は、アルカイダやタリバンなどのテロリスト勢力による人員、武器、資金などの移動を取り締まるものであり、世界の40カ国以上が参加するテロとの闘いにおける重要な一翼を担うものです。G7各国の中から、我が国だけが脱落するようでは国際社会の一員としての責任を果たすことができなくなり、日本の国際的な信用を大きく損なわれることとなります。
我が国が活動当初から今日までの6年間で提供した燃料の総量は48万キロリットル、経費的には約220億円です。湾岸戦争時に我が国が拠出した資金(約1兆7000億円)と比較しても小さな数字です。それにもかかわらず、世界各国からは大変高い評価と感謝の声が寄せられています。
また、我が国は石油の99%以上を海外に依存し、そのうち約9割を中東諸国から輸入しています。各国のパトロール活動を通じてインド洋の安定が確保されることにより、最大の恩恵を受けているのはほかならぬ日本だということも忘れてはなりません。
国連決議のない活動に参加するのは問題であるとの主張がありますが、海上阻止活動は、「テロとの闘い」を各国に呼びかけた安保理決議1368号に応えて各国が行っているものであり、国連の決議を踏まえた活動です。
また、この活動は対米支援であるかのような議論もありますが、我が国からの給油活動は、パキスタンやフランスなど、米国以外の国へのものが多くなっており、対米支援が本質であるかのような主張が誤りであることは明らかです。
さらに、海上自衛隊の活動は違憲であるとの議論もありますが、補給支援活動自体は憲法の禁止する「武力の行使」ではなく、また、「非戦闘地域」で行うことから他国の武力行使と一体化することもなく、何ら憲法に反するものではありません。
我が国は、海上阻止活動を行う艦船への給油のみならず、ODAによるアフガニスタンの復興や人道面での民生支援も1380億円にもわたり実施しております。この二つの活動を、車の両輪として実施していくことにより、各国からの高い評価が得られてきていると考えます。
従来のテロ特措法では、補給の他にも輸送や修理など様々な後方支援活動のメニューが書かれ、陸上でも海上でも実施することができましたが、今回の補給支援活動特措法は、このうち海上における燃料や水の補給活動に限定して、これを実施しようとする法律です。是非早期に成立させて、日本の「テロとの闘い」に取り組む姿勢に変わりがないことを、国際社会に明確に示すべきです。
【自由民主・号外】より