開催日:平成25年2月5日
講 師:第3講座 石破 茂 幹事長
テーマ:「時局講演」

ishiba

◎第3講座 石破 茂 幹事長「時局講演」
石破幹事長からは、「昨年の総選挙では皆様方のご協力のもと、政権復帰は果たせました。しかし09年総選挙と比べて、小選挙区で4%、比例代表では2%しか得票数は上回っておりません。投票率では43%で79%の議席294名の当選でした。私も全国遊説している中で、自民党への追い風などは感じませんでした。選挙後、安倍総裁が言われる様に自民党への支持が戻ったわけではないのであって、政権運営には絶対に失敗できません。相当の緊張感を持って、参議院選挙にも勝たなければ政権奪還にはなりません。今回の参議院選挙は、6年前に大敗を期した際の改選です。自民党54議席、公明党7議席の61議席を取らないとねじれは解消しません。相当ハードルが高い。中国、四国、九州では1議席も落とせません。更に安倍内閣の支持率も60%台を維持することも必要です。
そこで参議院選挙までは経済の回復が重要です。政権発足後、金融緩和、円安・株高に振れております。しかし、緩和してもお金を使わなければ意味がありません。お金は個人か企業か政府しか使いません。個人と企業はまだ使う機運が無いとなれば、政府が使わなければお金は回りません。そこで公共事業となるわけですが、意味のある財政出動でなければなりません。そもそもデフレの原因は何か?所得が減ったこと。2割も減ったわけで国民はお金を使いません。なぜ減ったのか?それは日本人が行ってきたことを、外国人が行う様になったから。ではどうすべきか?日本でなければ作れないというものを示さなければ勝てません。参考として、私の知る限り、常に貿易赤字の相手国があります。それはフランスとイタリア。車などの工業製品ではなくて、ブランド物や食べ物の輸入で赤字なわけです。つまり付加価値のあるものを日本独自で作る努力をして行かなければなりません。
安全保障についてですが、アルジェリアの邦人襲撃事件で、多大な犠牲を出してしまいましたが、自衛隊は現行法では、輸送の安全確保がされないと出て行くことができません。理由は、紛争に巻き込まれると、憲法が禁じている武力発動に繋がるからだと言います。しかし、日本人の命より憲法の条文が大切だとは私は思いません。今後、早急に事件を検証し、必要な措置を講じていきたいと思います。また、現行法では、尖閣諸島の中国の挑発行為に対して、銃もミサイルも発砲しないで上陸をされたらどうするのか?上陸しないでくれとお願しかでいません。中国は核抑止の面で米国に劣勢ですが、米国に取って代わろうと本気で思っています。そのためには南シナ海に攻撃型原潜を配備するわけで、そのためには東シナ海、尖閣諸島がどうしても必要なのです。尖閣は時間との勝負です。そして法律の面、装備の面でも隙が生じている事を中国はお見通しです。日本の領土、国民、統治機構の主権の3要素を守るという断固とした姿勢を回復すべきであり、そのために政府与党で議論はしますが、決定したならば、安倍総裁の下、議員も党員も一致結束して支えることが大切です」と述べられました。