開催日:平成25年2月6日
講 師:第5講座 高市早苗 政務調査会長
テーマ:「来年度の展望」

takaichi

◎第5講座 高市早苗 政務調査会長「来年度の展望」について
高市政調会長からは、「私も地元奈良県に3年前『奈良政経アカデミー』を設立いたしました。東京のナマの情報を志の高い受講生にお伝えしたいと思っています。そして『日本を取り戻す』とのことで政権に復帰できましたが、私は日本は今の時代の人だけのものではないと思っています。先人達の努力の賜物であって、大切にしてきた価値観を共有して、壊れたものは修復して次世代に渡すべきだと考えております。
民主党政権の3年間を振り返ってみますと、法執行の安定性、政治決定のプロセスの透明性が失われたのではないでしょうか。政治家の思い付きで場当り的で済ませてしまう。内閣もバラバラ。政府与党の関係もよく分からない状況でした。翻って我が安倍内閣ですが、そもそも選挙時の公約実現のために与党が送り出したのが内閣です。従いまして、公約通りになっているか与党として厳しくチェックして行かなければなりません。政府と与党がバラバラでは国民が不安に陥ります。そこで自民党は政策分野に関するルールとしては、部会→政審→総務会と議論を重ね、自民党として党議決定します。こうしたルールがしっかりしている事は、我々の誇りでもあります。これが民主党政権では曖昧だったわけです。
さて安倍内閣ですが、『日本経済の成長と強化』のために政府・与党・日銀と一体となって取り組んでいます。そこで物価目標の設定権者は誰か?日本は中央銀行たる日銀であります。先日、政府と日銀が共同声明を出しましたが、それぞれの役割を示しただけで、日銀法4条には反しないと考えます。そもそも政府と十分に意思疎通を行う様に求められているわけです。
安全保障分野について触れたいと思います。先日、アルジェリアで日本人が犠牲になる事件が生じました。現行法では、自衛隊は空港までしか迎えに行けないわけです。では空港まではどう邦人を救出するのか?今、党の政調でも『在外邦人の安全確保に関する調査会』を設立して、中谷先生や岩屋先生中心に相手国の同意を得て、邦人の救出や奪還までを可能にするための自衛隊法改正の議論を始めております。邦人の安全を守ることは国の責務だと考えます。最悪の事態まであらゆるリスクを考えて、対処できるように準備をしておくこと。恐らく安倍内閣でも早急に取り組むことと思いますが、邦人保護は自民党の使命として政府にも強く求めて参りたいと思っております。
補正予案と来年度予算についてですが、衆議院選挙等のため、通常よりも1カ月予算編成が遅れてしまいました。成立も5月頃になろうかと思いますが、その間、間断なく経済を下支えするために補正予算を編成して国会に提出しております。この中にはは、学校の耐震化やインフラの整備点検等、直ぐに取り組まなければならないものも盛り込まれているので、早期の成立が望まれます。また来年度予算案についても、国債は税収を上回らないようにして、財政健全化の意思表示も踏まえております」と述べられました。